月曜日、朝食を作ってもらった

テイクアウト式にはなるが、いつものように彼手製のサンドイッチが詰められたバスケットを受け取った。花開くような微笑みを目の当たりにし、思わず手が伸びかけたが理性が勝った。危ない所であった。葛藤する俺を見て不思議そうに小首を傾げる彼は、もう少し危機感を持つべきだと感じた。




火曜日、店が定休日のため泣く泣く仕事を頑張った

火曜日は喫茶バルバッドの定休日となっている。彼にとっては貴重な週一の休みのため、会いに行きたいのを我慢して仕事を捌いた。しかしジャーファルくんの機嫌がよろしくなく社内がピリピリとしていた。空気が息苦しくて逃げ出したかったのが本音だ。早く日を跨いで彼の顔を見たい。




水曜日、花を贈ってみた

彼の店を訪れる前に花屋に寄り、季節の花を見繕って貰った。きっと彼は店内の各テーブルに飾るだろうから、少し大きめの花束だ。彼に手渡すと驚いた顔をした後に、ほんのり眉を下げて笑ってくれた。あまりにその笑顔が可愛らしくて、また手が伸びかけたのは秘密である。




木曜日、会社に夕食を届けてもらった

仕事の目処が立たず、しかし美味しい夕食を口にしたくて彼に無理を言って会社まで来て貰った。彼は温かいものをとホットサンドに加えてスープを作ってきてくれた。「お仕事頑張って下さいね」の言葉一つで徹夜も楽にこなせそうだと感じた。




金曜日、全然花の金曜日ではなかった

前日から本日までとうとう徹夜の作業となり、昼まで会社の一室で休んでいた。目が覚めるとジャーファルくんがやけにいい笑顔で書類の山を突き付けてきて、結局また仕事に追われることになった。もう既に彼が恋しい。




土曜日、一緒にお茶を楽しんだ

少しくらいの息抜きは必要だと会社を抜け出して喫茶バルバッドへ足を運んだ。すると丁度客がいない時だったようで、彼と二人きりで彼の淹れたお茶を楽しんだ。30分後に鬼の形相でジャーファルくんが来店し、その後の記憶が無い。気付いたら会社の椅子に縛り付けられていた。




日曜日、愛の告白をしてみた

一日仕事を頑張ったお陰か、比較的早い時間に解放して貰えた。ふいにふらっと立ち寄った喫茶バルバッドは片付けの最中だった。ほんのりと店内に漂う珈琲や菓子類の香りにほっと癒されながら、彼の視界にそぅっと入る。瞠目した彼に微笑みかけて、一言ばかり愛の告白をしてみた。すると彼は「俺も好きです」とはにかみ告げ、けれど其処には俺が望む欠片は見付からず、ただ親愛を籠めた抱擁だけ残して俺は家路についた。







Appreciate Lover
(いつか私に貴方の愛をください)





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鉢はる様、この度は50000打企画にご参加下さり誠にありがとうございました!

喫茶バルバッドシリーズでシン→→→アリなお話…との事でしたが、ご希望に果たしてこれで応えられているのかどうなのか…一方矢印はいっぱいあります…こ、こんなので申し訳ないです。そして消化が遅くて本当に本当に申し訳ないですすみません。すみません。

残念な話でごめんなさい!苦情はいつでもどうぞ!(土下座)

それでは本当にありがとうございました!!


(針山うみこ)